マイクロソフトは書籍として公式解説書を発行しています。
ですが、あまり熱心でもないようで、年間数冊ぐらいです。
以前は初学者や中級者向けの内容もあったのですが、最近は専ら上級者向けの内容ばかり。
専門性が高くなると、それだけ発行部数は見込めませんし、個人が購入するのに躊躇するような価格になってしまう。
ネット上の情報なら発行手数もかからないし機械翻訳で済んでしまう。ショウガナイですかね。
それでも全体を網羅的に把握するには書籍が便利ですし、ここにしかない情報もあったりするのですよ。
マイクロソフト公式解説書 邦訳版
直近数年で発行された10冊程度を取り上げています。
C#プログラミングに特化した内容というより広くマイクロソフトに関する技術関連となっています。
C#プログラマーにお勧めしたい本が一冊あります。
・プログラミングASP.NET Core 2019/5/23
"Programming ASP.NET Core"(Microsoft Press、2018年)の待望の日本語翻訳版。 本書はASP.NET Coreが登場した背景から始まり、ASP.NET Coreによるアプリケーション開発に必要とされる知識を、設計から開発、デプロイまで、順を追って解説します。 日本語版では原書発行後の最新情報をできるだけ反映するように努めました。 |
内容は.NET Core2までフォローされているそうですが、現在は.NET Core3を経て.NET 5がリリースされています。内容がそう大きく変わる訳ではないでしょうが、やはり最新版が欲しいところです。とはいえ、邦訳の公式本でこれが一番新しいものでもあります。
・プログラミングXamarin 下 Xamarin.FormsとC#によるクロスプラットフォームモバイルアプリ開発 2019/1/31
上巻のリリースが3年前。下巻は出ないかと思われましたがちゃんとリリースはされましたね。原書(英語版)は無料で公開されています。翻訳はかなり酷いらしい。やっつけ仕事なんでしょうか。英語が不得手でないのなら原書の方が読みやすいかも。
・プログラミングBot Framework 2018/10/27
“Programming the Microsoft Bot Framework: A Multiplatform Approach to Building Chatbots"の日本語版。 4部構成で、C#とBot Frameworkを使用したチャットボット開発の知識と方法を、基礎から応用まで順を追って解説します。 |
チャトボットの開発なら本書以外の選択肢もないですしね。若干古いので最新版の情報での読み替えが必要ですが、これに手を出すレベルの方なら問題ないでしょう。必要な情報は網羅されています。
・インサイドWindows 第7版 上 システムアーキテクチャ、プロセス、スレッド、メモリ管理、他 2018/4/27
C#もマルチプラットフォーム対応がなされいろんな環境で動作するようになってはいますが、基本はWindowsでしょう。.NETが介在するとはいえ、その奥がどうなっているのかは上級者なら知っておきたいところ。それを解説する貴重で重要な書籍です。下巻の原書は2021年2月にリリース予定で邦訳はその後になる予定です。
本書は上級ITプロフェッショナル向けに、Windowsのコアコンポーネントが内部でどのように動作するのかを解説した最新の解説書の決定版です。本書により、経験豊富な開発者はより強力でスケーラブルなソフトウェアを開発でき、管理者はより複雑なシステムやパフォーマンスの問題をデバッグすることができ、セキュリティ研究者はシステムを堅牢にすることができます。 |
上巻の発売から遅れること4年でやっと日本語版が発売されました。ターゲットはWindows10ですがWin11もほとんど同じなので問題ないでしょう。Hyper-Vといった仮想化技術や管理・診断・トレース、キャッシュとファイルシステムといった開発側もしっておきたいWindowsの神髄を学ぶには非常に貴重な情報源でもあります。
・Adaptive Code ~ C#実践開発手法 第2版 2018/2/24
本書はC#プログラミングに直接に関係する唯一の書籍です。文法の解説でもないのでそういう目的では使えませんが、初学者から上級者までに一読をお勧めしたい内容です。コーディングテクニックの解説ですが、それにとどまらない範疇まで含まれています。サンプルコードはC#ですが、他の言語の開発者にもお勧めしたいぐらいの名著です。
・Windows Sysinternals徹底解説 改訂新版 2017/6/1
マイクロソフトの公式TechNetサイトでWindowsの診断ツールやトラブルシューティングツール・最適化ツールなどが無償で公開されています。そのユーティリティツール群の使用方法やそれを捕捉するWindowsの解説。管理者やサポートで必要な情報でしょうが、勿論開発でも必要な情報だったりします。
・プログラミングXamarin 上 Xamarin.FormsとC#によるクロスプラットフォームモバイルアプリ開発 2017/6/1
“Creating Mobile Apps with Xamarin.Forms─ Cross-platform C# programming for iOS, Android, and Windows"の日本語翻訳版。 Xamarin.Formsを使ったクロスプラットフォームアプリ開発を、基礎から高度なトピックまで存分に解説。 |
英語版が無料で公開されています。入門書ではないです。リファレンスです。
・プログラミングAzure Service Fabric 2017/2/25
"Programming Microsoft Azure Service Fabric"の日本語翻訳版。 日本語版で、開発者やアーキテクト向けに、Azure Service Fabricを利用したアプリケーション開発を、基礎から活用方法まで実践的に解説。 |
Azure Service Fabricについては以下のページに解説があります。関連書籍の乏しい分野ですね。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/service-fabric/service-fabric-overview
・脱オンプレミス! クラウド時代の認証基盤 Azure Active Directory 完全解説 2016/6/3
"Modern Authentication with Azure Active Directory for Web Applications"の日本語翻訳版。 Webアプリケーション向けに、Azure Active DirectoryによるID管理の仕組みと、その方法を解説。 |
邦訳版はその翻訳精度などに問題があって、結果原書を読めなんて批判が集まるものですが、本書は珍しく日本語版の方が良いとの評判です。サンプルコードはほとんどC#です。
・.NETのエンタープライズアプリケーションアーキテクチャ第2版 2015/6/4
”Microsoft .NET - Architecting Applications for the Enterprise, 2nd Edition”の日本語翻訳版。 ドメインモデリング、CQRS(Command/Query Responsibility Segregation)、イベントソーシングを中心に、アーキテクチャ設計の原則と、その原則を実装するための手法を解説。 |
初版に続き第二版も非常に評価の高いものでした。が、如何せんちょっと古いですよね。邦訳が2015年ですが原書はその前年の2014年にリリースされています。新版のリリースが望まれます。
Microsoft Developer Reference
邦訳の最新版であるASP.NETがリリースされたのが2019年5月でした。原書(英語版)ではその後に3冊のリリースと2冊のリリース予定があります。ここではその5冊を紹介します。
・Windows Internals, Part 2 2021/2/25
・Professional Scrum Development with Azure DevOps 2020/12/28
・SQL Server 2019 Administration Inside Out 2020/4/16
・Introducing Machine Learning 2020/2/20
・T-SQL Window Functions: For data analysis and beyond 2019/11/4
Use window functions to write simpler, better, more efficient T-SQL queries |